Granzevola alla triestina

08 : friuli-venezia giulia

さて、今回の『景色の見える料理』は…
クモガニをオーブンで焼き上げるトリエステの郷土料理
トリエステ風クモガニです!
(Granzevola alla triestina)

クモガニを茹でてサラダ仕立てにするのがヴェネツィア風で有名ですが、
トリエステ風はしっかりと焼き上げます。

イタリア郷土料理のリチェッタでは液状の蟹味噌も含めて
全て混ぜ合わせて蟹の甲羅に詰めて170℃で30分程火をいれます。
水分を飛ばすのに時間かかります。

今回は蟹味噌だけ別にしてソースを作りましたが、
かなりの塩分を持っていたので、蟹の甲羅や身を取り出した殻からとった出汁で伸ばして葛粉で繋いでいます。

その他の具材はセルクルに詰めて焼き上げるのですが、
食感がどうしても単調になるので、レモンは絞らず、
塩レモンを小さな四角に切ったものと、
エシャロットを軽く油通ししたものを表面に散らしています。

因みにシャバシャバの味噌を詰め物に混ぜていない分、
オーブンの温度は上げて15分程度の短い時間で火入れしました。

身を取り出して出汁をとり終えた殻や甲羅をバラバラにして、
市場にガサガサと入っていた蟹の雰囲気に見立てた盛り付けにしてみました。

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アルトアディジェ州で働いた後、一週間ほど次のレストランで働くまでに時間があったので、
フリウリ-ヴェネツィアジューリア州に行って、
ティマウのキャルソンスを食べて、
サンダニエーレの生ハム工場を見学し、
トリエステの方まで足を伸ばしました。

カルニア、フリウリ、ヴェネツィアジューリアの3地域が全て違う文化なのだと感じました。

オーストリア国境のカルニアは特に変わっていて、言葉もカルニア語と言う言語があり独自の食文化といった感じでした。
サンダニエーレの生ハムはパルマの生ハムと比較すると甘味があって食べやすい印象で、
イタリア修行を終えて日本に帰ってからは10年ぐらいサンダニエーレ産のを使っていました。
体感すると影響されるものです。

トリエステは別格で栄えていた印象で州都な理由が分かります。
貿易の発信地として各々の時代毎に支配した国の影響を受けているのが、
食文化からも読み取ることが出来ますね。

トリエステ風クモガニ
フリウリでのサンダニエーレと蟹
theme / フリウリ-ヴェネツィア ジューリア州

【 料理 】

・Inizio / 2種

小鰯のサヴォール
小鰯のサヴォール
(トリエステのスペチャリタ)
Sardelle in savor


フリーコ
フリーコ
(チーズのフリッタータフリウリのスペチャリタ)
Frico


・Antipasto

トリエステ風クモガニ
Granzevola alla triestina
※今回の景色の見える料理(冒頭の画像参照)


・Primi piatti / 2種

パパロットゥ
パパロットゥ
(フリウリの特徴的なミネストローネ)
Paparot


キャルソンズ
キャルソンズ
(カルニアのアニョロッティ)
Cialzonz


・Pesce

ブロデート
ブロデート
Brodeto


・Carne

ランバスィッチ
ランバスィッチ
Rambasicci


・Dolce

プレスニッツ
プレスニッツ
(トリエステのスペチャリタ)
Presniitz


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