プステリア渓谷の揚げラヴィオリ”トゥルテレン”

02 :trentino-alto adige

今回の景色の見える一皿はこちら
私の修行先の一つであったプステリア渓谷
そこの揚げラビオリである『トゥルテレン』をアレンジしてみました。

この地方はドイツ語圏で、一般的にイメージするイタリア料理とは全く違う食文化が広がります。
ラビオリの中に詰めるものはほうれん草を蒸したものにクミンをいれるだけ、
もしくはキャベツを発酵させたザワークラウト。

そこに酸味のきいたヴィネガーをかけたグリーンサラダなんかを添えています。
全体的に質素な料理で、冬を生き抜く為の保存食が多い地方です。

生地もこの地方特有で、ライ麦粉を使っています。
コレがまた、なかなかまとまらなくて苦労します。

郷土料理集のリチェッタ(レシピ)から抜粋して
意図を組んでリストランテ料理にしていくのですが、
前回のローマのような細かい分量はなく、実際にその通りでは作れないものもありました。

とは言えこちらもプロとしてやっていますし、修行地の一つ。
なんとしてでも形にして喜んでいただきたい!

さて、どうしようかなと考えていた時、そう言えば花が一面に広がるところがあったなと。
グリーンサラダの代わりに花畑のイメージで
16種類の花や小さな葉を山形の斎藤さんや深谷の横川さんに集めていただきました。

齋藤さんはクローバー摘むのは大変な作業なので普段はやっていないのですが、
特別に用意していただきました。
「地獄のような作業」(笑)と仰っていました。
無理を言ってすいません。
有難う御座いました。

ラビオリの中身はほうれん草だけでなくリコッタや生クリームを加えて芳醇にし、
通常の詰め物の4倍量にしてしっかりと味わってもらうようにアレンジ。
ラードで揚げるのも、2度揚げにしてよりパリパリに。
あくまでテクスチャーは残しつつなので。

盛り付けは花でラビオリを完全に覆ってしまって、
花サラダを食べていくとラビオリが現れるようにしてみました。
実は一口サイズなアミューズバージョンも仕込んでみたので、
数量限定で通常メニューでも出してみようかなと思っています。

ブォナペティート!
プステリア渓谷の揚げラヴィオリ”トゥルテレン”
theme : トレンティーノ=アルト・アディジェ州

【 料理 】

・Inizio / 2種

Crostini-di-milza
ミルツァのクロスティーニ
~肉のブロード 卵黄 卵白~
Crostini di milza


Smacafam_Crema-di-farina
‘スマカファム’ / 粉のクリーム
~乳飲み仔羊のルカニカ タルトレット~
Smacafam/591Crema di farina


・Antipasto

PManzo-alla-vecchia-Trento
黒毛和牛の柔らか煮込み
~紫キャベツ ザワークラウト~
Manzo alla vecchia Trento


・Primi piatti / 2種

花と緑のサラダ/プステリア渓谷の揚げラヴィオリ‘トゥルテレン’
Ravioli della valle Pusteria
※今回の景色の見える料理(冒頭の画像参照)


Canederli-tirolesi
トレンティーノ風大麦のミネストローネ
チロル風カネーデルリ~サマートリュフ~
Minestrone d’orzo alla trentina
Canederli tirolesi


・Pesce

Polenta-smalzada-Trentino
トレント風ポレンタ‘ズマルツァーダ’ / 揚げバッカラ
Polenta 《smalzada 》Trentino


・Carne

Filetto di cervo arrosto avvolto nello speck
鹿フィレ肉のスペック巻き
~ストラッキーノ アスパラ 米 鹿肉の燻製~
Filetto di cervo arrosto avvolto nello speck


・Dolce

Zwetschgenknodel
‘ツヴァッチゲンクノデール’
~ジャガイモ プルーン バター パルミッジャーノのジェラート~
Zwetschgenknodel


^