リストランテアキタでは、約1か月半ごとにコース内容を見直し、その季節だからこそ味わえる料理をご提供しています。
料理が変われば、それに寄り添うワインも変わります。
前回同様、ソムリエ・藤本智さんにもご協力いただき、それぞれの料理の魅力をより引き出すペアリングをご用意しました。
一皿ごとの味わいとともに、今回お楽しみいただくワインをご紹介いたします。
Ferrari Trento Doc Maximum Blanc de Blancs
まずは、藤本ソムリエのコメントから。
青りんご・パンの皮・ヘーゼルナッツの香ばしさと約36ヶ月の熱成による厚みが、塩トマトの酸味とオレンジ・グレープフルーツの柑橘の輪を保ちながら冷製パスタに奥行きを添える。
きめ細かな泡がグレープフルーツのほろ苦さを軽やかに受け止め、シャルドネ単一品種らしい真っ直ぐな酸が全体の透明感を損なわない。
今回ご紹介するのは、イタリアを代表するスパークリングワインの造り手、Ferrari 。
その中から、
Ferrari Maximum Blanc de Blancs
をご紹介します。

今回合わせる料理は、
冷製パスタ ~オレンジ・グレープフルーツのアガーシート~
爽やかな柑橘のニュアンスを持つ一皿に、トレンティーノの山岳地帯で育ったシャルドネから造られるスパークリングワインを合わせます。
イタリアの「山」から生まれるスパークリングワイン
Ferrari Maximum Blanc de Blancsが造られるのは、北イタリアのトレンティーノ。
そのさらに北にはオーストリアとの国境があり、周囲をアルプスの山々に囲まれた地域です。
Ferrari Trentoが自らのワインを表現するときに使う言葉があります。
「Mountain Sparkling Wine」――山のスパークリングワイン。
ここでは山の斜面にブドウ畑が広がり、昼は太陽を受けながら、夜になると山からの冷気によって気温が下がります。
この昼夜の寒暖差が、ブドウの香りや酸を育てる重要な要素となります。
そして、この土地でFerrariが重要視してきたブドウこそ、
Chardonnay(シャルドネ)です。
なぜ、アルプスでシャルドネなのか?
Ferrariの歴史を語るうえで欠かせない人物が、創業者のGiulio Ferrari(ジュリオ・フェラーリ)です。
20世紀初頭、彼はトレンティーノの山岳地帯が、高品質なスパークリングワインを造る土地として大きな可能性を持っていることに着目しました。
そこで重要な役割を担ったのがシャルドネ。
現在ではトレンティーノは、イタリアでも重要なシャルドネの産地となっています。

Maximum Blanc de Blancsも、そのシャルドネだけから造られます。
「Blanc de Blancs」とは、直訳すれば、
「白から造られた白」。
一般的には、白ブドウのみから造られるスパークリングワインを意味します。
Maximumの場合、その中身はシャルドネ100%。
つまりこの一本には、トレンティーノという土地とシャルドネの関係がそのまま表現されています。
泡は、一本一本のボトルの中で生まれる
Ferrari Maximumは、Metodo Classico(メトド・クラッシコ)と呼ばれる伝統方式で造られます。
まずシャルドネからベースとなる白ワインを造ります。
そしてそのワインをボトルに詰め、そこへ酵母と糖分を加えて密閉。
すると、
ボトルの中でもう一度発酵が始まります。
この二度目の発酵によって発生した炭酸ガスは逃げることができず、少しずつワインの中へ溶け込んでいきます。
これが、グラスに注いだときに立ち上る泡になります。
タンクの中で大量に泡を造る方法とは違い、一本一本のボトルの中で泡を生み出す。
シャンパーニュにも用いられる、伝統的なスパークリングワインの製法です。
最低24か月。「酵母と一緒に眠る」ということ
しかし、Maximumの面白さは泡ができたところで終わりません。
瓶内二次発酵を終えたワインは、そのまま最低24か月間、セラーの中で熟成されます。

今回のアイテムは、それより一年長い36ヶ月熟成。
しかもボトルの中には、発酵を終えた酵母が残っています。
これが「澱(おり)」です。
ワインをこの澱と長期間接触させることで、単純なブドウの果実香だけではない複雑さが生まれていきます。
Ferrari Maximumの公式テイスティングコメントにも、
パンの皮やヘーゼルナッツ
を思わせる香りが記されています。
シャルドネそのものの果実。
瓶内二次発酵による泡。
そして24か月以上という時間。
その三つが重なることで、Maximumの香りと味わいが出来上がっていきます。
「爽やかな泡」だけではない
グラスに注ぐと、輝きのある麦わら色。
香りには果実のニュアンスとともに、パンの皮やヘーゼルナッツ。
口に含むとフレッシュで繊細な印象があり、余韻には柑橘やミネラルを思わせるニュアンスが残ります。
ここが、
単純に「爽やかなスパークリングワイン」ではないところ。
山岳地帯で育ったシャルドネのフレッシュさと、瓶内で時間をかけることで生まれる複雑さ。
その両方を持っているのがMaximum Blanc de Blancsです。
オレンジ、グレープフルーツとのペアリング
今回合わせるのは、
冷製パスタ ~オレンジ・グレープフルーツのアガーシート~

ここで注目したいのが「柑橘」です。
Maximum Blanc de Blancsにも、公式のテイスティングコメントで柑橘を思わせる余韻が表現されています。
料理側にもオレンジとグレープフルーツ。
ワインにも柑橘のニュアンス。
料理とワインの中にある似た香りを重ねていく、
「香りの同調」
を楽しむペアリングです。
一方で、オレンジの甘い香りとグレープフルーツのほろ苦さに対して、Maximumのフレッシュな酸と泡が口の中をリセットしてくれます。
冷製料理の温度感と、8℃前後で楽しむスパークリングワインの温度感。
ここにも自然なつながりがあります。
一杯目だけではない、Ferrari
スパークリングワインというと、
「まずは乾杯で」
というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それも素晴らしい楽しみ方です。
しかしMetodo Classicoで時間をかけて造られたスパークリングワインには、料理と一緒に楽しめるだけの酸、香り、そして複雑さがあります。
実際、FerrariのMaximumシリーズそのものが、レストランで楽しむことを意識したコレクションとして展開されています。
乾杯の一杯から、
料理と一緒に楽しむ一杯へ。
アルプスの山々に囲まれたトレンティーノで育ったシャルドネ。
一本一本のボトルの中で生まれる泡。
そして36か月という時間。
Ferrari Maximum Blanc de Blancs.

冷製パスタと柑橘の爽やかさとともに、ぜひ「山から生まれる泡」をお楽しみください。
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