リストランテアキタでは、約1か月半ごとにコース内容を見直し、その季節だからこそ味わえる料理をご提供しています。
料理が変われば、それに寄り添うワインも変わります。
今回のコースでは、ソムリエ・藤本智さんにもご協力いただき、それぞれの料理の魅力をより引き出すペアリングをご用意しました。
一皿ごとの味わいとともに、今回お楽しみいただくワインをご紹介いたします。
Vino Bianco|白ワイン
今回ご紹介するワインは、イタリア最北西部、ヴァッレ・ダオスタ州で造られる「ミュスカ」です。
ヴァッレ・ダオスタ州は、フランスとスイスに接するアルプスの麓に位置し、イタリアで最もワインの生産量が少ない州として知られています。
有名なモンブラン(イタリア語ではモンテビアンコ)やマッターホルン、モンテローザなど、アルプスの名峰に囲まれた自然豊かな地域で、スキーや登山などの観光地としても知られています。
「ミュスカ」は、日本で言う「マスカット」です。
香りは甘く、実際にミュスカを使用したワインには、甘口のものもありますが、
今回のシャンバーヴ・ミュスカは辛口のワインです。
Chambave Muscat|シャンバーヴ・ミュスカ
ヴァッレ・ダオスタ州で1980年に設立された生産者協同組合「ラ・クロッタ・ディ・ヴィニュロン」は、
14世紀から受け継がれてきた伝統的な「シャンバーヴ・ミュスカ」を守り続けています。
夏は日差しが強く、夜はアルプスから冷たい空気が流れ込むため、昼夜の寒暖差は30℃にも及びます。
畑は標高500〜850mの急斜面に広がり、年間降水量は約500mmとイタリアでも特に乾燥した環境です。
湿度が低いため病害が発生しにくく、ブドウ栽培にも理想的な環境が整っています。
この恵まれた自然環境が、ミュスカならではの豊かな香りと美しい酸、凝縮感のある味わいを生み出しています。

輸入元の紹介文を引用いたします。
100%ミュスカ。標高450~680mの色々な畑のミュスカを使用。標高によって収穫時期も違い、最も高い畑は10月に入ってからの収穫。16度以下で36~48時間低温マセラシオンすることでミュスカ本来の香をモストに移してから発酵開始。発酵終了後はステンレスタンクで5ヶ月間シュール・リー。毎日バトナージュ。
La Crotta di Vegneron(ラ・クロッタ・ディ・ヴィニュロン)
ラ・クロッタ・ヴィニュロンはアオスタの中心部シャンバーヴの街の中心に位置。
1980年に25名で結成された生産者協同組合。中世からの歴史あるシャンバーヴ・ミュスカの伝統を守り続けており、
今では70名まで組合員は増え、自社畑も増えているそうです。
また、力を入れているのが栽培農家の意識改革。
高品質葡萄を高く買い取る仕組みを整え、重量で価格を決めることを中止しました。
『質の高い葡萄を造ることを目指している。アルベレッロ仕立の葡萄や樹齢の高い樹は重宝する』
と、品質によってブドウの買取金額を変更しているのだそう。
ブドウの量ではなく品質を評価する仕組みだからこそ、生産者もより良いブドウ作りに力を注ぎます。
こうした積み重ねが、ワイン全体の品質につながっているのです。
一般的にミュスカは甘口のイメージがありますが、この地域では辛口も古くから造られており、前菜から魚料理、肉料理まで幅広く合わせられる食中酒として親しまれています。
リストランテアキタでは、この華やかな香りと繊細な味わいに惹かれ、今回のペアリングに採用しました。
秋田シェフが印象に残ったペアリング
今回、このワインを試飲して最も印象に残ったのが、ソムリエ・藤本智さんのペアリングでした。
秋田シェフはこう話します。
自分でペアリングすると、その一皿のベースとなる郷土料理の産地のワインを選ぶ傾向が強かったです。
今回で言えば、魚料理に合わせているマンディッリ・デ・セーアのジェノヴェーゼ和えには、私ならリグーリア州のワインを選んでいたと思います。ところが藤本さんが選んだのは、海のないアオスタ州のミュスカ。
実際に合わせてみると驚くほど相性が良く、新しい発見になりました。
料理との意外な組み合わせから生まれる新しい発見も、ぜひお楽しみいただければ幸いです。
郷土料理と地域のワインの枠にとらわれない、新しい組み合わせから生まれる味わいも、
今回のコースならではの楽しみの一つです。
ぜひ料理とワイン、それぞれが引き立て合うペアリングをご体験ください。




