ペアリングワインのご紹介 vol.7 |マルス プライベートリザーブ穂坂 マスカット・ベーリーA 2020

Menù

リストランテアキタでは、約1か月半ごとにコース内容を見直し、その季節だからこそ味わえる料理をご提供しています。

料理が変われば、それに寄り添うワインも変わります。

前回同様、ソムリエ・藤本智さんにもご協力いただき、それぞれの料理の魅力をより引き出すペアリングをご用意しました。

一皿ごとの味わいとともに、今回お楽しみいただくワインをご紹介いたします。


マルス プライベートリザーブ穂坂 マスカット・ベーリーA 2020

今回のアイテムの一つは、シェフ自ら山梨のマルス山梨ワイナリーに出向いて探してきたワインです。

まずは、藤本ソムリエのコメントから。

凝縮した赤系果実と樽熟成由来の穏やかな香ばしさが、仔羊のロースト香・網脂・キノコのデュクセルに重なる。ミディアムボディと角の立たないタンニンは、脂の少ない背肉の繊細さを覆わない。

山梨県穂坂地区の良質なマスカット・ベーリーAを厳選し、樽熟成後に優れたキュヴェをブレンドして仕立てた上位キュヴェで、単なる軽やかなだけの日本ワインではなく、華やかさとしっかりとした骨格を併せ持つ。

瑞々しい酸が山形の郷土料理「だし」の清潔感を保ち、醤油の旨みと菊芋の甘みを果実味が柔らかく受け止める。

今回は、夏のコースの肉料理

仔羊の巻物 〜山形のダシ〜

のペアリングワインとしてご用意しております。


マスカット・ベーリーAとは

日本を代表する赤ワイン用ブドウのひとつ、「マスカット・ベーリーA」。

イチゴやチェリーを思わせる華やかな果実香と、比較的やわらかな渋みを持ち、日本の食卓にも合わせやすいブドウとして知られています。


日本で生まれたブドウ、マスカット・ベーリーA

マスカット・ベーリーAは、日本で誕生したブドウ品種です。

生みの親は、「日本のワインぶどうの父」とも呼ばれる川上善兵衛。

日本の気候に適したワイン用ブドウを造ろうと研究を重ね、1927年、「ベーリー」と「マスカット・ハンブルグ」を交雑してマスカット・ベーリーAを生み出しました。

川上善兵衛が生涯に行った品種交雑は、実に1万回以上。

その中から生まれ、約100年後の現在まで日本各地で栽培されているのが、マスカット・ベーリーAなのです。

2013年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)にも品種登録され、日本を代表するワイン用ブドウとして世界への扉を開きました。

 


「穂坂」で造る意味

同じブドウ品種でも、育つ土地によってワインの表情は変わります。

今回のワインが生まれる「穂坂」は、山梨県韮崎市、茅ヶ岳の山麓に広がるブドウ産地。

標高400〜700mほどの南西斜面に位置し、日照時間が長く、比較的雨が少ないことに加え、山麓を吹き抜ける風にも恵まれています。

ここで育つブドウは凝縮度が高く、しっかりとした味わいになりやすいとされています。

マスカット・ベーリーAというと、華やかな果実香と軽やかな飲み口をイメージされる方も多いかもしれません。

しかし、穂坂のマスカット・ベーリーAには、それだけではない力強さがあります。

 


さらに樽を選び、造られる「プライベートリザーブ」

穂坂で収穫された良質なマスカット・ベーリーAを厳選して樽熟成。

さらに、その中から優れたキュヴェを選び、ブレンドして造られるのが「プライベートリザーブ」です。

マスカット・ベーリーAらしい華やかな果実の香り。

そこに穂坂のブドウが持つ凝縮感と、樽熟成による奥行きや骨格が加わります。

「日本の赤ワイン=軽い」

もしそんなイメージをお持ちでしたら、少し印象が変わるかもしれません。

 


実は、魚料理にも合わせやすい赤ワイン

そしてマスカット・ベーリーAの面白いところが、赤ワインでありながら魚料理にも合わせやすいこと。

タンニンが比較的穏やかで、赤い果実の香りと心地よい酸を持つため、肉料理だけではなく、脂ののった魚や香ばしく焼いた料理にも寄り添ってくれます。

「魚だから白ワイン」

必ずしも、そうとは限りません。

日本で生まれたブドウを、日本の土地で育て、その土地の個性を表現する。

約100年前、川上善兵衛が日本の気候に合うブドウを求めて生み出したマスカット・ベーリーA。

その可能性を、現在の造り手たちがさらに広げています。

日本ワインの面白さを感じていただける一本として、ぜひ料理とともにお楽しみください。


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